神経症(不安障害)とは
かつて過度の不安、意識と無意識の不調和などによって、さまざまな症状をきたす疾患群の総称とされていました。現在は精神医学ではこの概念は放棄されています。
- 不安神経症(⇒パニック障害)
- 不安、動悸(どうき)、息苦しさ、胸部不快感などを発作的に、あるいは持続的にきたす状態です。パニック障害とも呼ばれます。過呼吸症候群(呼吸が早くなり、手足がしびれ、硬直し、意識がもうろうとする発作)を伴うことがあります。現在は不安障害の一部とされています。
- 恐怖症(⇒広場恐怖)
- 対人恐怖、赤面恐怖、不潔恐怖、乗り物恐怖、閉所恐怖、異性恐怖、自己視線恐怖など、特定の物や状況を極端に恐れる状態です。パニック障害と併発することが少なくありません。
- 強迫神経症(⇒強迫性障害)
- 意味のない特定の行為を繰り返さずにいられない(強迫行為)、また、意味のない特定の考えが繰り返し頭に浮かんでくる(強迫観念)状態です。 例)手洗い強迫、確認強迫、縁起かつぎ強迫、スケジュール強迫
- 心気神経症(⇒心気障害)
- 些細(ささい)な身体の変調にこだわり、「自分が重い病気にかかっている」と思い込み、不安になっている状態です。現在は身体表現性障害の一部と考えられています。
- ヒステリー(⇒解離性障害/身体表現性障害)
- 心の中の処理できない葛藤が、身体症状や意識障害をもたらす状態です。身体に症状が出る場合を「転換性障害」と呼び、意識に異常をきたす場合を「解離性障害」と呼びます。
例)身体の一部が動かない、歩けない、声が出ない、目が見えない、けいれん発作、多重人格(解離性同一性障害)、心因性健忘、心因性遁走(しんいんせいとんそう)、心因性もうろう状態
- 抑うつ神経症(⇒気分変調症)
- 大きなストレスや性格上の問題によって、うつ状態が引き起こされたものですが、現在は気分障害の一部とされています。
- 神経衰弱
- 身体的な疾患がないのに、全身倦怠感、疲れ易さ、頭痛、めまいなどが持続する状態です。